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2011年11月8日火曜日

チェリー


「カタログには載っていないけれどほぼレギュラー」をご紹介いたします。
25弦サウルハープ 25S(CH) チェリーです。
ショールームなどでご覧になった方、いらっしゃいますか?ウォールナット材に似ていますが、ウォールナット材よりも明るめの茶色の木目。
アメリカンチェリー材でできています。

写真では色の違いが分かるよう、ウォールナット材と並べてみました。
手前の濃茶のものがウォールナット、奥の薄茶のものがチェリーです。




カタログに掲載していないのにはわけがあります。
一つには、ウォールナット、メープルなど比べ材料の確保が若干むずかしいため、よいチェリー材が入ってきたときのみ作っておりまして、従いまして在庫切れになった場合は「次回納期は未定」になってしまうためです。

そしてもう一つは、チェリー材がちょっと変わった特色を持っているためです。
右の写真の楽器の、腕木や胴にある黒い部分がおわかりになりますでしょうか?
チェリー材はこのような斑点があちらこちらにあります
この斑点はフシやキズではないのです。
木の樹液が作り出した自然の模様で、チェリー材ならではの表情であり、自然素材の証でもあります。生命力の強い木ほど黒い斑点が多くでるとも言われています。
時折、「キズがあるので交換してほしい」というお客様もいらっしゃるのですが、楽器として十分な強度を保てる材を選んで製造しておりますので、ご使用上は何ら問題はございませんので、安心してお使いくださいませ。


そして最後の一つは、チェリー材の色。
チェリー材は削って新しいうちはとても色が薄いのです。「なんだかはっきりしない色」といわれることも・・・・。
新しいできたてのチェリーとウォールナットと並べておいておくと、たいがいのお客様はウォールナットを選ばれるのですね
ところがこチェリー材、年数を経るとこんな色になります。
奥ができてまもなくの新しいチェリー。手前は5年ほど経ったもの。
薄い茶色だったチェリー材は、赤みが強くなってくるのです。
この頃になると、樹液のあとの黒い部分は地の木目が赤みを増すため、できたての頃ほどめだたなくなり、むしろ味のある木目模様の一部として溶け込んでいきます。
写真手前のチェリーはアラベスク模様を入れていますが、アラベスクの金色が赤いチェリー材に映えて、とても豪華な印象になっています。
・・・・あ、年数が経つとアラベスク模様が現れてくる、ということではありませんので、念のため。

(写真は左より25S(CH)チェリー材アラベスク模様入、25S(CH)チェリー材、25S(WN)ウォールナット材)